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症例

【外科症例】乳腺腫瘍摘出術

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍とは、犬では2番目に多く発生し、猫でも3番目に多く発生する腫瘍であり、臨床家が頻繁に目にする腫瘍の一つです。犬では約半数が悪性であり、猫ではその8~9割ほどが悪性と診断される腫瘍で、早期の発見と摘出が重要となります。治療が遅れると、自壊や多発、領域のリンパ節への転移などを起こす恐れがあります。
(伴侶動物治療指針 212-220p 2013.1 緑書房 より)

ダックスフンド(ミニチュア) 14歳 未避妊雌
主訴:左第3乳腺の腫瘤
身体検査でしこりを確認。大きさや熱感、疼痛を確認したのち細胞診検査を実施、その結果『乳腺癌の疑い』と診断されました。そのため、レントゲンによる肺転移のチェックを含めた術前検査を実施。その後、左側乳腺全摘出に加えて、腫瘤の存在を確認した右第3乳腺の局所摘出、左側腋窩リンパ節と鼠径リンパ節の摘出を行いました。
結果:『乳腺癌(単純型)』
※各リンパ節には転移はありませんでした。
※写真は手術中の画像です。

術後は良好で、2日入院したのち退院しました。今後は1か月ごとの健診をお願いしています。

今回の症例では14歳と高齢でかつ未避妊ということで、乳腺腫瘍の発生しやすい条件が満たされていました。過去の論文で、犬では初回発情前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率が0.05%になり、初回発情後に行うと8%、2回目の発情後以降に行うと26%となり、2回目の発情前に避妊手術を行う場合は乳腺腫瘍の発生率が下がるという報告が出ています。また猫では未避妊猫と比較し、6ヶ月齢以内の避妊で9%、1歳までの避妊で14%程度まで発生率が下がると言われています。それに加え、子宮蓄膿症などの生殖器疾患の予防にもつながるため、若いうちに避妊手術を行うことは重要であると考えられます。