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症例

【内科症例】リンパ球性胆管肝炎

胆管炎・胆管肝炎は犬よりも猫で一般的に認められる疾患で、その種差の原因としては、胆管と膵管の解剖的な差異からくるものではないかと考えられています。また、胆管炎と胆管肝炎の区別としては、門脈域を超えて炎症が肝実質まで波及する場合は胆管肝炎と呼び、門脈域内に炎症が留まっている場合は胆管炎と呼ばれています。胆管炎・胆管肝炎に併発して膵炎や腸炎を併発することもあるため、注意が必要です。
 胆管炎の形態的な分類は主に以下の3つに分かれており、確定診断に至るためには開腹下での肝生検を行う必要があります。
1. 好中球性胆管肝炎
2. リンパ球性胆管肝炎
3. 破壊性胆管肝炎

(SA Medicine 73 32-36p 2011.6 インターズー より抜粋)

雑種 5歳 未去勢雄
主訴:ALPの上昇
外注の健康診断でALPの上昇が認められたため、院内での血液検査、腹部エコー図検査や甲状腺ホルモンの測定、BTRやTBAなども含めた精密検査を実施しました。その結果、GPT、GOTなども含めた肝酵素の上昇、肝腫大、TBAの上昇が認められました。原因の特定のため、開腹下での肝生検を実施しました。
結果:『リンパ球性胆管肝炎』
その後はステロイドを含めた内服の投薬によって肝酵素の低下が認められ、現在ではステロイドを休薬した状態で肝酵素の上昇を抑えられています。
*写真は肝生検の写真になります。

この症例はステロイドの投薬を行いましたが、リンパ球性胆管肝炎は高分化型のリンパ腫との鑑別が病理学的には難しいため、クローナリティ解析等、診断の強化に必要な検査は適宜行っていく必要があると考えます。
また、今回の症例では最初の異常が臨床症状を示さない状態でのALPの上昇であったため、定期的な血液検査を実施することの有用性を感じました。